ポッドキャストを第100回まで継続するための5つのヒント

投稿:2024/11/26

この記事では、ポッドキャストを第100回まで継続するための方法について考察します。ポッドキャスト『ミリしらBL大辞典』が第100回を迎えました。 2022年12月に配信を開始し、 約2年に渡って週1回の更新を一度も欠かさずことなく続けてついに第100回の大台に到達です。

しかし、ポッドキャスト配信者やリスナーの方はよくご存じのことと思いますが、 世の中のポッドキャストの多くは100回どころか10回にも届かず配信を休止しています。

それでは、なぜ『ミリしらBL大辞典』は100回に渡って配信を続けることができたのか、 100回までポッドキャストを継続するには何が大事なのか、 自らの振り返りも兼ねてその方法を考察していきます。

ポッドキャスト配信を始めたばかりの方や、これから配信しようと思っている方の参考になれば幸いです。

どんなポッドキャストを配信しているのか

『ミリしらBL大辞典』は、BLについての魅力を発信するということをコンセプトに、 シンガーソングライターの吉塚千代と、樋口タケナリ(筆者)の2人が BLの歴史や文化の解説、BL作品の感想やレビューを行っている番組です。

相方が編集、私が企画や構成、SNS運用などを担当していて、 収録は通話アプリのDiscordを用いてオンラインで行っています。 2022年12月に第1回を配信し、週に一回の更新を欠かすことなく、2024年11月に 第100回を迎えました。

なぜポッドキャストの継続は難しいのか

米国のマーケティング企業Amplifi Mediaによると、 世界のポッドキャストの50%は第3回までで終わっています。 さらに、第10回を超えるポッドキャストは30%しかなく、 調査が行われた時点では、更新を継続しているポッドキャストは全体のわずか7%とのことでした。

英語圏のポッドキャスト配信コミュニティでは、第21回を迎えることができたら エピソード数の点では世界トップ1%のポッドキャストだとも言われています。

ポッドキャストの継続が難しい理由は、様々な点が挙げられています。 トークテーマの枯渇、増えないフォロワー、増えない再生数、なのに手間と時間は意外とかかる。 これらの点は着実に配信者の心を折ってきます。

それでは『ミリしらBL大辞典』はどのように第100回まで続けてこられたのか、 継続するためにはなにが必要なのか、以下で考察していきます。

ポッドキャストを第100回まで続ける方法

1. テーマを程よく絞る

『ミリしらBL大辞典』は「BL」にテーマを絞って番組を開始したことで、 開始直後から多くの方に聴いていただくことができました。 テーマを程よく絞ることで、そのテーマに関心がある方々に興味を持ってもらえますし、 トークテーマも幅広く構えることができます。

BLにテーマを絞って番組を開始した理由は、単にBLが好きだったからというだけで、 上に書いていることは結果論でしかないのですが、 ポッドキャストを100回まで続けてこられたのは、このテーマ選定が大きかったと思います。

ただし、テーマをあまりにニッチにしすぎると、 トークテーマの枯渇という問題にも直面するので、あくまで「程よく」絞ることをおすすめします。 また、かなり専門的なテーマにした場合には入念な下調べが必要になり、 トークテーマづくりに負担が生じるかもしれません。

2. ポッドキャストを生活の一部にする

ポッドキャストを継続する上で重要なのが、ポッドキャストを生活の一部にしてしまうことです。 2人以上でやっている番組であれば、しっかりと予定を調整して定期的に収録できる環境を整える、 1人でやっている番組であれば、何曜日の何時を収録にあてると決めてしまうといったことです。

というのも、これは私自身の反省から来ています。 私は『ミリしらBL大辞典』の他にも1人でやっている番組を運営しているのですが、 収録日を明確に決めず、ずるずると収録を遅らせてしまった結果、 週1更新だったものが2週に1回になり、月1回になり、次第に不定期になってしまいました。

こうしたフェードアウトは、自分のその気がなくても結果的に辞めることに繋がります。 以下の画像は Redditに投稿された元ポッドキャスターの投稿です。

ここには、編集に力を入れ過ぎて燃え尽きてしまったこと、辞めると決めたわけではないけど 更新しなくなって気づいたら4年経っていたことが書かれています。

易きに流れやすいのが人の性です。 崩れてしまったサイクルを元に戻せる強靭な精神力を持っているのなら話は別ですが、 そうではない場合は、最初から収録サイクルを決めてしまうのが吉だと思います。

3. 編集はこだわらなくていい

先のRedditの投稿にもありましたが、ポッドキャストに限らず、音声編集の世界は突き詰めるとキリがありません。 収録した音声を聴いていると、咳払いやフィラー、今まで気づいていなかった口癖など 気になる点がたくさん出てくると思います。

こうした気になる点はどうしてもカットしたりしたくなるものですが、 そこまで編集に手をかけていると時間がいくらあっても足りません。

基本的には、自分で聴き返して明らかに聴取体験を妨げるもの (長すぎる無音時間や「え~~~う~ん、あ~」などフィラーが連続する場所) 以外は無視してしまっていいと思います。

また、音量の差異の修正やリップノイズの除去をする必要がないよう、 あらかじめ収録時点から口とマイクの距離を一定に保ったり、 ポップガードを用意するなどしたほうがいいかもしれません。

4. 数字は伸びないものだと割り切る

英語圏のポッドキャスト配信コミュニティを見ていても、 ポッドキャストを辞める最大の要因は再生数やフォロワー数がなかなか伸びない点にあります。

YouTubeなどと比べるとどうしてもポッドキャストの人口は少ない上、 さらにSpotifyやApple Podcastなど ポッドキャスト聴取プラットフォームのレコメンド機能もYouTubeほど 機能しているとは言い難く、 新番組は見つかりにくい傾向にあります。

『ミリしらBL大辞典』が継続できた要因は、2人ともかねてより音楽やライティングなど 別のクリエイティブを行っており、そうした経験から「始めた当初は伸びない」ということを共有できていた 点にあると思います。

私の一番好きなBL漫画に「惨めさから遠ざかるコツはどんな小さな勝利も味わうことだ」という台詞があります。 これ自体はかなりネガティブな台詞ですが、しかし重要な指摘です。 小さな目標であっても、達成したときは喜びとモチベーションが湧きます。

Spotifyのデータを見ると、番組開始1か月の時点でフォロワー数は5人で、 100人を超えたのは開始半年ほどが経ったときでした。 もちろん、数週間で100人を超える番組もあり、一概にこれくらいかかるとは言えませんが、 ベンチマークのひとつとして参考になれば幸いです。

5. なにより楽しむ

これは至極当たり前の話かもしれませんが、 ポッドキャストに限らず、何事も楽しくなければやってられません。

どんなに上記のことを取り入れても、自分が楽しめておらず、配信が義務になりつつあったら恐らく継続は難しいと思います。 そして、自分がポッドキャストを楽しんでいるなら、それは継続にあたって最も力強い支えとなります。

もちろん、自分が楽しむための環境を整えることも重要です。 自分が楽しく話せる雰囲気、楽しく調べられる主題、2人以上の番組であれば楽しく会話できる相手などなど。

ポッドキャストが義務になってしまいそうだと感じたら、 いっそのこと数週間休んでみるのもいいかもしれません。 完全に義務になってしまいモチベーションが下がるよりは、 もしかしたらそのままフェードアウトするかもしれませんが、 楽しみを取り戻して再開できることに期待してみても良いと思います。

まとめ

以上、私がポッドキャストを第100回まで続けることができた理由や、 100回まで続けるにあたって大切なことの考察でした。 かなり属人的で、参考になる点は少ないかもしれませんが、 多少なりとも、良きポッドキャストライフに貢献できれば幸いです。

ミリしらBL大辞典はSpotifyやYouTubeで配信中

ミリしらBL大辞典は、20代の男性2人がBLについて語る毎週土曜0時更新のポッドキャスト番組です。 BLの歴史や文化、魅力について語りつつ、漫画や映画のレビュー、LGBTQに絡めた話題も取り上げています。